在留資格認定証明書の取得方法|どうする?申請の流れと企業が失敗しない実務ポイント


海外にいる外国人を日本に呼び寄せて雇用したい。内定を出したが、**入国までの手続きが複雑で「在留資格認定証明書の取得、どうする?」**と手が止まってしまう――。
企業の人事・総務担当者の方から、こうした相談は非常に多く寄せられます。

在留資格認定証明書(いわゆるCOE)は、外国人が日本に**中長期で入国するための実務上の“入口”**です。ここでの準備不足は、審査の長期化や追加資料対応、場合によっては不許可につながります。
本記事では、**企業担当者と外国人本人が協力して最短で進めるための「取得方法」**を、手続きの全体像→役割分担→必要書類→つまずきやすいポイント→交付後の流れ、の順で分かりやすくまとめます。出入国在留管理庁の案内(手続・オンライン・電子化)をベースに、実務で重要な点に重きを置いて解説します。

コンテンツ(目次)

  1. 在留資格認定証明書とは?企業が押さえるべき全体像
  2. 在留資格認定証明書 取得 どうする?最初にやるべき「3つの確認」
  3. 申請の流れ(準備→申請→審査→交付)を実務ベースで解説
  4. 必要書類の考え方:共通書類+在留資格別+会社資料(チェックリスト付き)
  5. 審査が長引く/不許可を避けるための実務ポイント(追加資料の備え)
  6. 交付後の流れ(ビザ→入国→就労開始)と、行政書士に依頼すべきタイミング

1. 在留資格認定証明書とは?企業が押さえるべき全体像

在留資格認定証明書(COE)は「日本入国前の審査を前倒しする仕組み」

在留資格認定証明書は、日本で行う予定の活動(就労内容等)が在留資格の要件に適合することを、入国前に審査してもらうための手続きです。
出入国在留管理庁の案内でも、在留資格に応じた申請書や資料を提出して申請する旨が示されています。

「ビザ(査証)」と混同しがち:COE→ビザ→入国の順

よくある混乱ポイントはここです。

  • COE(在留資格認定証明書):日本側(受入れ企業等)が中心となって入管へ申請
  • ビザ(査証):海外の日本大使館・領事館等で申請(COEを提示して進めるのが一般的)
  • 入国(上陸):空港で上陸審査→在留カード交付(対象者)

この流れ自体は、ジェトロの整理も分かりやすいです(一般的な流れの概説)。

企業側の“実務”で重要なこと

COEは「書類を出せば通る」手続きではありません。
入管が見ているのは大きく次の2点です。

  1. 外国人本人が、その在留資格に該当する活動を行うこと(職務内容・学歴/職歴との整合など)
  2. 受入れ企業(所属機関)が適切に雇用・受入れできること(契約内容・事業実態・継続性など)

つまり、企業担当者の協力が不可欠です。

2. 在留資格認定証明書 取得 どうする?最初にやるべき「3つの確認」

ここを飛ばすと、準備が二度手間になります。申請準備に入る前に、まず次の3点を確認してください。

確認①:申請する在留資格はどれか(就労系か、身分系か)

企業雇用が主テーマの場合、典型は就労系(例:技術・人文知識・国際業務 等)です。
ただし、採用予定者が「配偶者等」など身分系を持つ場合は、就労制限の有無や申請の種類が変わることがあります。

ポイント:職務内容から在留資格を決める(学歴・職歴から“逆算”しない)

確認②:誰が申請するのか(申請人・代理人・会社担当者)

多くのケースでは、海外在住の本人に代わって受入れ企業側が申請準備と提出を担います。
出入国在留管理庁は、在留資格認定証明書交付申請に関する手続ページを用意しています。 法務省

確認③:いつ入国させたいのか(逆算スケジュール)

入社日・研修開始日・プロジェクト開始日など、企業側の都合は明確なはずです。
COE→ビザ→入国まで“必ず時間がかかる”前提で、入社日から逆算しましょう(繁忙期は遅れやすい)。

3. 申請の流れ(準備→申請→審査→交付)を実務ベースで解説

在留資格認定証明書の申請の流れ【全体像】

在留資格認定証明書の取得は、事前準備から入国までいくつかのステップがあります。
まずは全体像を図で確認しましょう。

① 在留資格・職務内容の確認
(企業と外国人で業務内容・雇用条件を整理)

② 必要書類の準備
(会社資料・本人資料・申請書類をそろえる)

③ 出入国在留管理庁へ申請
(管轄の入管に提出/オンライン申請も可)

④ 入管で審査
(追加資料の提出を求められることあり)

⑤ 在留資格認定証明書の交付
(電子メールまたは書面で受領)

⑥ 海外でビザ(査証)申請
(日本大使館・領事館)

⑦ 日本へ入国・就労開始
(在留カード交付→雇用開始)

※ 申請内容や雇用条件によって、必要書類や審査期間は異なります。「自社のケースで問題ないか不安な場合」は、事前相談をおすすめします。[無料相談はこちら]

出入国在留管理庁の手続きページをベースに、企業実務の動きがイメージできるように「やること」で整理します。

ステップ1:雇用内容を固める(ここが最重要)

COE申請は“雇用の中身”が土台です。

  • 職務内容(具体的な担当業務、割合、使用言語、体制)
  • 雇用条件(報酬、労働時間、勤務地、契約期間、試用期間)
  • 採用理由(なぜその外国人が必要か)
  • 学歴・職歴との整合(業務に関連しているか)

実務のコツ
求人票や雇用契約書の文言が曖昧だと、追加資料(説明書)対応になりやすいです。最初から「業務内容を説明できる状態」に整えておきます。

ステップ2:必要書類の収集・作成(会社+本人の共同作業)

必要書類は、ざっくり言うと

  • 申請書(COE交付申請書)
  • 本人側資料(学歴・職歴・身元)
  • 会社側資料(事業実態・雇用の確からしさ)

の3ブロックです。申請書様式はPDF等で公開されています。

ステップ3:地方出入国在留管理官署へ申請(窓口/オンライン等)

申請は、原則として管轄の入管(地方出入国在留管理官署)へ行います。
また、オンラインでの在留申請手続の案内もあります(利用者登録等の前提あり)。

ステップ4:審査(追加資料依頼が来ることも)

審査中に、入管から「追加資料」の提出を求められることがあります。
このとき対応が遅れると、審査が止まります。会社担当者と外国人本人がすぐ動ける体制を作っておきましょう。

ステップ5:結果通知・COE交付(電子メール受領も選択肢)

近年は、COEを電子メールで受け取れる仕組み(オンライン申請や手続きの電子化)が案内されています。
これにより、海外の本人への送付の手間・時間を減らせるケースがあります。

4. 必要書類の考え方:共通書類+在留資格別+会社資料(チェックリスト付き)

ここでは「書類名を羅列」するより、企業担当者が迷わないように集め方・作り方で整理します。
(※在留資格や所属機関区分により必要書類は変動します。最終的には出入国在留管理庁の該当在留資格ページ・手続案内に従ってください。)

A. 共通:まず押さえる基本セット

  • □ 在留資格認定証明書交付申請書(所定様式)
  • □ 写真(規格は申請書注意事項に従う)
  • □ パスポート写し等(本人情報確認)
  • □ 返信用封筒等(案内に従う)

B. 本人側資料:学歴・職歴・経歴の整合を作る

  • □ 卒業証明書/学位証明等
  • □ 職歴証明書(在職証明・推薦状・職務内容が分かる資料)
  • □ 履歴書(学歴・職歴の空白期間がないように)
  • □ 資格証(職務に関係するもの)

実務のコツ
学歴・職歴は「何年どこで何をしていたか」を一本の線にして説明できることが重要です。空白がある場合は、理由を説明できるよう準備します。

C. 会社側資料:事業実態と雇用の合理性を示す

  • □ 会社概要資料(パンフ、Web会社案内など)
  • □ 登記事項証明書、決算書類等(求められる範囲で)
  • □ 雇用契約書(または雇用条件通知書)
  • □ 職務内容説明書(業務の具体性、部署体制、使用言語、上司・同僚の構成など)

実務のコツ
「なぜ外国人である必要があるのか」を“国籍”で説明するのは危険です。
業務上必要なスキル・経験(語学、海外取引、専門分野等)に落とし込みます。

D. 在留資格別:追加で求められやすい資料(企業雇用で多い領域)

就労系では、職務内容の専門性と、本人のバックグラウンドの整合が最大のテーマです。
そのため、次のような“説明補強”資料が効きます。

  • 業務分掌、組織図、配属先の体制図
  • 取引内容やプロジェクト概要(守秘に配慮しつつ)
  • 勤務地の実在資料(オフィス写真、賃貸契約等)
  • 研修計画(入社後の業務の段階的付与)

5. 審査が長引く/不許可を避けるための実務ポイント(追加資料の備え)

ここは、企業担当者が一番知りたいところです。
「申請の流れ」を理解しても、実際はつまずきポイントが決まっています。

ポイント①:職務内容が“専門的業務”として説明できるか

例えば、同じ「マーケティング」でも、

  • 企画立案・分析・海外市場調査・運用設計(専門性が説明しやすい)
  • 単純作業中心(専門性の説明が弱い)

では、見せ方が変わります。
職務内容は、業務の粒度を上げるほど強くなります。

ポイント②:学歴・職歴の“つながり”を作る

典型的な追加資料テーマは、

  • 学んだ分野と、就労内容がどうつながるか
  • 職歴が短い/転職が多い/空白期間がある
  • 直近の活動(退職後の期間など)

です。企業側が説明できない部分は、外国人本人と連携して補います。

ポイント③:会社の実態・継続性を「見える化」する

設立間もない会社、赤字決算、急な増員などは、追加資料が来やすい領域です。
ただし、ここは「不利=不可」ではありません。

  • 受注見込み
  • 資金繰りの根拠
  • 事業計画
  • 組織体制

など、合理的に説明できれば前に進みます。

ポイント④:追加資料依頼への動き方(社内フローを作る)

追加資料は突然来ます。おすすめは最初から次を決めること。

  • 会社側:回答窓口(人事/総務)と、決裁者(部門長等)
  • 本人側:連絡手段(メール/チャット)と、提出期限の共有
  • 行政書士:資料の整合チェック、説明文案作成、提出整理

6. 交付後の流れ(ビザ→入国→就労開始)と、行政書士に依頼すべきタイミング

COEが出たら終わりではない:次はビザ(査証)手続き

一般的には、海外の日本大使館・領事館等で、COEを提示してビザ申請を進めます。ジェトロの流れ整理も参考になります。
また、COEを提示することで上陸審査が円滑になる旨も案内されています。

電子メール受領のメリット:海外への送付時間を短縮しやすい

出入国在留管理庁は、オンライン申請や手続電子化により、COEをメールで受領できる旨を案内しています。
国際郵便の遅延・紛失リスクや時間ロスを減らせる可能性があるため、企業側のスケジュールがタイトな場合は検討価値があります。

入国後に企業がやるべきこと(見落とし防止)

  • 在留カード・住民登録等の各種手続(対象者・自治体手続は状況により異なる)
  • 雇用開始時の社内手続(保険、給与、就業規則説明など)
  • 在留期限・更新計画の管理(更新の“準備開始日”を社内で決める)

行政書士に依頼したほうがよい代表ケース(企業向け)

「社内でできる」ケースもありますが、次の条件があるときは、外部の専門家を使うほうが結果的に早いことが多いです。

  • 申請経験がなく、社内工数が割けない
  • 職務内容の説明が難しい(専門性の組み立てが必要)
  • 会社が設立間もない/決算が不安/雇用の合理性説明が必要
  • 学歴・職歴の整合に不安(空白期間、転職が多い等)
  • 追加資料が来たときに“確実に整合を取れる人”がいない
  • 入社日が固定で、絶対に遅らせられない

まとめ|在留資格認定証明書の取得、どうする?迷ったら「全体像→役割→書類→説明」の順で整える

在留資格認定証明書の取得方法は、表面上は「申請書と資料を提出する」手続きです。
しかし実務では、職務内容・本人の経歴・会社の受入体制を一つのストーリーとして整えることが、審査をスムーズにする鍵になります。

  • まず在留資格と職務内容の整理
  • 次に、企業担当者と外国人本人の役割分担
  • そして、必要書類を「説明できる形」で揃える
  • 交付後(ビザ→入国→就労開始)までを逆算する

この順番で進めれば、「在留資格認定証明書 取得 どうする?」という不安は、かなり具体的な行動に変わります。

企業担当者・外国人ご本人の方へ

在留資格認定証明書(COE)の取得でお困りですか?

「この職務で申請できる?」「必要書類は何?」「入社日までに間に合う?」など、 未確定でも問題ありません。状況を伺い、最短ルートをご提案します。

  • ✅ 必要書類の整理・不足チェック
  • ✅ 職務内容の整合(技人国など)・説明文作成
  • ✅ 追加資料対応を見越した申請設計

※内容を確認のうえ、原則1〜2営業日以内を目安にご連絡します。お急ぎの場合は希望時期をご記入ください。

参考リンク(法務省・出入国在留管理庁)


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