最近の帰化申請で重視される「日本語力」とは?


~合格率を左右する“見えない審査ポイント”を行政書士が徹底解説~

「日本にずっと住んでいて、生活に支障はない」
「日本語で仕事もしているし、会話は問題ないと思う」

……でも、帰化審査に通らないことがあるのはなぜ?

近年、帰化申請において**「日本語能力」の重要性がますます高まっている**のをご存知でしょうか。

実は、日本語力が十分でなかったために不許可になるケースが、全国的に報告されています。
これは、日本語が話せるだけでは足りず、**「読み書き」や「自分の言葉で説明できる力」**も求められているためです。

この記事では、帰化審査で実際にどのように日本語力が評価されているのか、どんな対策が必要なのかを、行政書士の立場から詳しく解説します。


1. 日本語能力は「法律上の要件」ではないが、実質的に重視される

国籍法において、「日本語ができること」は明文化された条件ではありません。
しかし、帰化申請には次のような**「法務局が判断する要件」**があります。

要件内容
居住要件原則5年以上日本に居住していること
生計要件安定した収入や生活基盤があること
素行要件税金の未納、交通違反等がないこと
国籍喪失要件原則として元の国籍を離脱すること
語学・理解力(非公式)日常生活を支障なく送れる程度の日本語力

つまり、日本語能力は「背景要件」ではあるものの、面接や書類の整合性に大きく影響する実質的な審査項目です。


2. 審査で求められる「日本語力」の中身とは?

帰化審査では、以下の3つの局面で日本語力が問われます。

① 書類の作成

申請時に提出する以下の書類は、すべて日本語で記入しなければなりません。

  • 履歴書(細かく年月単位で)
  • 帰化の動機書(なぜ帰化を望むか)
  • 生計の概要書(家計の状況など)
  • 家族関係説明書(家族構成の詳細)

これらの書類を自分の言葉で理解し、書けるかどうかが重要です。
職業や家族関係を正しく記載するためにも、ある程度の漢字や語彙が必要となります。

② 面接(聞く・話す・理解する)

法務局での面接では、次のような日本語力がチェックされます。

  • 「あなたの職歴を説明してください」
  • 「なぜ帰化を希望していますか?」
  • 「家族について教えてください」
  • 「この申請書の内容を説明してみてください」

いわゆる“テスト形式”ではありませんが、会話の中で理解力や説明力が見られることになります。

③ 文字の読み書き(非公式の簡易テスト)

面接の際、一部の法務局では、次のような簡易的な読み書きチェックを行うこともあります。

  • 平仮名・片仮名の読み書き
  • 簡単な漢字の記入(住所・名前・職業など)
  • 簡単な短文の読み取り(例:「今日は何曜日ですか?」)

目安として、日本の小学校3年生程度の国語力が求められているとされています。


3. 日本語力不足が原因で不許可になる例

✅ ケース1:話せるけど書けない

40代の女性。日常会話はできるが、履歴書の漢字がほとんど読めず、面接でのやり取りも曖昧に。

→ 不許可。「帰化後の社会生活に支障をきたす」と判断された可能性。

✅ ケース2:代筆・丸写し

申請書を家族に書いてもらい、自分では内容を理解していなかった。

→ 面接で内容を説明できず、不許可に。

✅ ケース3:暗記に頼りすぎた

帰化理由を一言一句暗記していたが、少し質問の角度が変わると答えられなくなった。

→ 面接官から「本人の意思ではないのでは」と疑問視された。


4. どの程度の日本語力があれば安心?

以下の項目のうち、**7割以上ができれば「安心レベル」**と考えられます。

✅ ひらがな・カタカナを問題なく読み書きできる
✅ 自分の名前・住所・家族構成を漢字で書ける
✅ 職歴や経歴を日本語で説明できる
✅ 漢字入りの文章(新聞の簡単な記事)を読んで理解できる
✅ 法務局での面接に不安がない


5. 対策方法|日本語が苦手な方はどう準備すべき?

✔ 日本語学習教材を活用する

  • 『やさしい日本語の本』シリーズ(小学校用ドリルでもOK)
  • JLPT(日本語能力試験)N4~N3レベルの文法・漢字練習

✔ 実際の書類を練習してみる

  • 行政書士と一緒に履歴書の練習をしてみる
  • 動機書や家族構成書の“下書き”を自分の言葉で書いてみる

✔ 模擬面接を行う

  • 想定問答を作成し、行政書士とロールプレイ
  • 繰り返し練習して「自然に答えられる状態」に

6. 行政書士に依頼することで得られるサポート

当事務所では、日本語力に不安がある方にも対応した実践的サポートを行っています。

サポート内容詳細
書類の日本語チェック誤字脱字の修正、言い回しの整備
漢字が苦手な方向けテンプレート簡略化された記入例を用意
面接練習サポート想定質問リスト・受け答えの練習
書類の内容の“説明力”の向上「どうしてこの動機なのか」まで深掘り支援

帰化は一度の失敗が大きなロスになる申請です。
初回で通すためには、十分な準備と専門家の助力が大きな意味を持ちます。


7. まとめ|「話せる」だけでは足りない日本語力の重要性

帰化審査における日本語力は、単なる言語スキルではありません。
それは「日本社会で自立して生活していけるかどうか」を判断する根幹の基準でもあるのです。

  • 書類作成の能力
  • 面接での意思疎通
  • 社会との関係を自分の言葉で説明する力

これらを総合的に備えているかが審査されます。
「日本語はなんとなくできるから大丈夫」と思っている方ほど、注意が必要です。


📩 帰化申請、日本語に不安がある方も安心してご相談ください

  • 「ひらがなとカタカナは書けるけど、漢字は苦手…」
  • 「面接で何を聞かれるか不安…」
  • 「どのくらい日本語ができれば通るのか知りたい」

当事務所では、帰化サポートの経験豊富な行政書士が、丁寧にヒアリングを行い、
あなたの状況に合わせた対策・書類作成・面接準備を一貫してお手伝いします。

あなたの「日本で生きる未来」を、言葉の不安なく一歩前へ進めるお手伝いをいたします。


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